調査研究


■主要な調査研究成果

これまでの主要な調査研究成果は次のとおりです。これらの調査研究成果は機関誌「HEDORO」や技術セミナーなどにおいて発表しています。

(1)有害物質対策(水底堆積汚泥、土壌汚染)に係る調査研究:
   ダイオキシン、PCBなど、或いは自然由来の有害物質の除去/封じ込め/
   無害化などが必要

・調査・試験方法、実態の把握
・浄化・除去計画、浄化工法
・保管・処分方法
・土壌汚染対策 など

(2)富栄養化/貧酸素化対策に係る調査研究:赤潮・青潮・貧酸素化・
   臭気などの発生の抑制/根絶が継続的な課題

・窪地・深掘跡地埋戻し方法、工法
・臭気対策
・底層DO改善
・水質保全、浄化
・土砂の流入・堆積・拡散状況の把握
・堆積・拡散シミュレーション など

(3)浚渫土砂・建設発生土処理対策に係る調査研究:
   浚渫土砂等の減量化、有効活用、土壌情報管理などへの対応が切迫

・有効活用方策
・減容化方策
・改質剤の活用による再資源化
・浚渫・埋立に伴う濁り対策
・埋立地の土性把握と土壌情報管理 など

(4)海域/水域環境の再生・創出に係る調査研究:
   閉鎖性海域の再生、豊かな海の創出等新たな要請への対応が必須

・浚渫土砂等を用いた海底地形修復、干潟・浅場造成、藻場創出等に係る土壌性状等の把握
及び工法
・生物共生型構造物
・河川/ダム湖底部水環境改善 など

(5)法令改正や環境指標基準化への対応に係る調査研究:
   土対法改正や底層DO基準化などへの対応が必要

・土対法と海防法の相違と対応策
・底層DOの環境基準化への対応
・法令等に整理分析/対応した試験方法 など

(6)対策技術ガイドブック等の作成、新たな環境課題への対応に係る
   調査研究:調査・試験方法や対策技術の普及・周知が必要/
   新たな環境課題への対応が必要

・「底質の調査・試験マニュアル」(改訂第4版:平成28年3月)
・「放射性物質による汚染底質の対策技術ガイドブック(暫定版)」(平成27年3月)
・「ダイオキシン類汚染底質の対策ガイドブック」(平成21年3月)
・海洋マイクロプラスチック問題への対応
・浚渫土砂を活用したカーボンニュートラルに資する技術開発 など

■令和5年度自主研究課題

(1)浚渫土砂の活用によるカーボンニュートラルに資する技術開発(継続)

 国の2050カーボンニュートラルに向けて各種施策を展開しているところであり、国土交通省港湾局ではカーボンニュートラルポートへの取り組みを進めている。
 本研究は、浚渫土砂を活用した干潟、浅場造成における多くの成功事例を検証し、ブルーカーボン生態系の活用に資する浚渫土砂による干潟、浅場の設計、施工方法の検討、確立を目指す自主研究である。
 令和5年度は、令和4年度実施した大島干潟における現地調査の結果分析をもとに浚渫土に含まれる栄養塩がアマモの成長にどのように関与しているのか等について、有識者の支援を得ながら、検討を進める。また、必要に応じて追加の現地調査を行う。


(2)貧栄養化海域への対策について(仮称)(新規)

 水質浄化対策が進捗した結果、以前に比べ海はきれいになったが、瀬戸内海などでは栄養塩不足が問題となり、その対策が進み始めている。しかしながら、実態把握は十分ではなく、また、対策は当該自治体が中心で極めて狭い範囲にとどまっている。
 一方、当協会の自主研究においては、底質からの栄養塩供給が環境創造(アマモ場造成等)につながる可能性について検討中である。
 そこで、本研究では、貧栄養化海域における施策、対策実績、対策手法、効果等について情報収集し、今後の環境創造の検討に資することを目指し、貧栄養化対策の現状の整理等を行う。


(3)浚渫土を母材とした各種人工石材の特性に関する研究(仮称)(新規)

 港湾工事で発生する浚渫土砂は,その多くが埋立等により処分されているものの、処分先である埋立処分場の新規建設は、従来と比較して困難となってきている。近年では、浚渫土の減容化や新たな処分先として人工干潟・浅場へ有効利用することへの期待が高まっている。
 一方、浚渫土を有効活用するための方策として、人工石の開発技術が各種報告されてきているが、それぞれ固化原理や製造法が異なることなどから、同じ人工石といっても、その形状、土木的な物性も異なっており、利用が停滞している。
 そこで、本研究では、浚渫土を利用した人工石材の利用の促進を図ることができるよう、各種人工石材の製造方法、製品の特徴等を整理し、特性に応じた利用提案が可能となるような資料を取りまとめる。


なお、平成22年度から令和5年度までの自主研究課題は下表の通りです。


自主研究家課題